高齢者のレクリエーション ローンボウルズ
イギリス生まれのローンボウルズは、ボウルと呼ばれる偏心球(中心がかたよっている専用のボール)をジャックと呼ばれる目標球にどれだけ近づけられるかを競う競技です。
ボウリングとゴルフを足して二で割ったような競技といわれます。もしくはボウリングの技術とカーリングの戦略性を併せ持つ、頭と身体の両方を使うスポーツでもあります。
パラリンピックでは第3回テルアビブ大会から第10回アトランタ大会まで、ほぼすべての大会で実施されています。
【ローンボウルズの特徴】
ローンボウルズは、小さな目標の球にボウルを近づけるゲームです。
ボッチャやペタンクにも似ていますが、最大の特徴はボウルです。ボウルの中心が偏っているため、スピードが遅くなるにつれて大きなカーブを描きます。この特徴ゆえに思わぬ展開になるのがおもしろいところです。
選手はボウルが描くカーブと芝の状態を予測しながら、できるだけジャックに近づけて停止させることに集中します。
【ローンボウルズの進め方】
レクリエーションの場合、カーペットを敷き投げる位置を決めテープを貼ります。
このとき立って投げる人と車イスで座って投げる人のラインは別にします。車イスのラインは立って投げる人よりも前にします。
目標となる白い球を置き、2チームに分かれて交互にボウリングのようにボウルを投げます。コイントスやじゃんけんで先攻後攻を決めましょう。
すべて投げ終わったあとに白い球に一番近いボウルがあったほうのチームが勝利となります。
1対1のシングルス、2対2のペアーズ、3対3のトリプルス、4対4のフォアーズの4種目があります。団体戦なら、相手のボールをはじいてジャックから遠ざけたり、白い球を移動させる戦略も必要になります。
パラリンピックでは、幅5メートル、縦35メートルのリンク内で試合をすすめます。
【高齢者のレクリエーションとしてのローンボウルズ】
本来なら芝生の上で行う競技ですが、介護レクリエーション向けに室内で行えるようアレンジしましょう。プレイする時間は30分から1時間程度です。
誘い方は
・パラリンピックでも採用されている種目であること
・冬季オリンピックで人気のカーリングに似ていること
・わかりやすいルールであること
・不思議な動きのする特別なボールを使うこと(やってみせる)
・頭も身体も使う一石二鳥のスポーツであること
・楽しいこと
を説明するといいでしょう。
【ローンボウルズに必要な道具】
用意するものは
・専用のボール
・目標となる白いボール
・カーペット(横2メートル、縦10メートル程度)
・投げる位置を決めるテープ
ボウルは完全な球体ではありません。重心が一方に偏っており、投げるとカーブして転がります。材質は木製やゴム製。直径は最大131ミリ、重さも1.59キログラムと決まっています。色も黒か茶色。目標となる球はボウルより小さく、色も白または黄色です。
手軽に体育館や平坦な場所でプレーできるように開発された製品にソフトローンボウルズがあります。
【ローンボウルズの得点の数え方】
介護施設でのレクリエーションであれば、ジャック(白い球)に一番ちかいチームの勝ちにすれば、面倒な計算も不要です。勝敗もわかりやすくてすみます。
パラリンピックの場合、得点の数え方は車いすでするカーリングに似ています。ジャックに一番ちかい位置にボウルがあるチームに得点権が与えられます。たとえばジャックの最も近くに黒チームのボウルが1つあれば、黒チームに1点が与えられます。赤いボウルのチームの得点は0点です。
ローンボウルズの勝敗は得点制とエンド制に分かれています。
先に25点を先取したほうが勝ちなのが得点制。エンド数に関係なく、一定の得点に達すると試合が終了します。エンドの意味は「回」で、両方のチームが持っているボウルをすべて投げ終わると1エンドが終了します。決められたエンド数をプレイすれば、得点にかかわらず試合が終了します。
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