高齢者のレクリエーション ペタンク
高齢者のレクリエーションで、ペタンクが人気です。ペタンクはフランス生まれの球技で、小学生からお年寄りまで、誰でも簡単に楽しく遊べるゲームです。
遊び方は、とっても簡単。まず二つのチームに分かれます。チームの名前は、白組でも紅組でもAチームでもBチームでも覚えやすければ何でも大丈夫。
ジャンケンで先攻・後攻を決めます。まず目印になる「ビュット」というボールを置きます。上の画像では黄色く、ほかの球より小さいボールになります。または先攻チームがビュットを転がします。次は後攻チームがビュットに向けてボールを投げます。
ボールを交互に投げ、ビュットにいちばん近いボールを投げたチームの勝ち。
介護施設でのレクリエーションであれば、サークルという決められた線より前に出て投げなければ、手や足でボールを転がしてもいいので車イス利用者でも遊べます。立ったままでも座ったままでもゲームに参加できるのがメリットです。
より高度な遊び方をしたければ、自分のボールを相手チームのボールにぶつけてビュットから遠ざけたり、自分のボールを味方のボールにぶつけてビュットに近付けることもできます。もちろん、ビュットにボールを当ててもかまいません。
【ペタンクで用意するもの】
ペタンクは、人と道具があればいつでもどこでもすぐに遊べます。日本なら将棋や囲碁、オセロ。アメリカなら一対一でするワンオンワン(ストリートでのバスケットボール)みたいなもの。
フランスではボールに鉄球を使っているため、公園や空き地などの屋外でゲームします。高齢者のレクリエーションの場合、重い鉄球を扱うのは危険なため、室内用の軽く軟らかいニチレクボールを使って施設内で遊びましょう。
チームは遊ぶ人数によって、一対一のシングルス、二対二のダブルス、三対三のトリプルスに分かれます。
【ペタンクの応用】
競技に出るのでなければ本格的な道具は必要ありません。
介護施設などでのレクリエーションであれば、ビュットのかわりにピンポン玉やテニスボール、ボールのかわりに水を入れたペットボトルや缶コーヒーを使ってもいいでしょう。
【ペタンクの効果】
ボールを投げる動作によって身体機能を駆使・向上します。またビュットをボールで狙うことによって脳が刺激され、集中力が鍛えられます。
なによりも仲間と遊ぶことで楽しい時間を過ごすことができます。
【ペタンクの正式なルール】
まず場所の広さ。日本ペタンク協会では、国内や国際競技では幅4m以上、長さ15m以上となっています。だいたい乗用車3台分の広さが必要になります。それ以外の大会では、幅3メートル、長さ12メートルに短縮することが認められています。高齢者の場合、長さは12メートルにすれば負担も少なくてすむでしょう。
ボールはアンダースローで投げます。肩より高い位置から投げてはいけません。サークルから出たり、線を踏んで投げてもいけません。手のひらを下に向け、手首を返して投げます。そうすることでボールにバックスピン(逆回転)がかかり、距離を調整します。
目印のビュットを投げたあと、ビュットから遠いボールのチームが投げ続けます。ビュットとサークルは6メートルから10メートルの距離であること。両チームの全員が投げ終わったら1セット終了です。
【ペタンクとボッチャのちがい】
ペタンクとボッチャは似ています。ちがうのはボールと遊ぶ場所。
ペタンクは屋外で鉄球を使います。ボッチャは室内で人工皮革の軟らかいボールを使います。ボッチャは障害のある人でも楽しめるように安全性を重視しています。
ペタンクは、ねんりんピック秋田2017の種目にも選ばれました。ボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツで、2020年の東京パラリンピック競技にもなっています。
腕に障害がある人は足でボールをけったり、滑り台をつかってボールを転がすことも可能です。
【生涯スポーツを楽しむためのニュースポーツ】
ニュースポーツとは、年齢や体力に関係なく誰でも・いつでも・どこでも気軽に楽しく・安全に自分の能力や体力に応じて、生涯をとおしてできるスポーツです。もちろん、ペタンクもニュースポーツに含まれます。
その他のニュースポーツとしては、シャフルボード、ユニカール、クロリティー、スカットボール、ターゲット・バードゴルフ、インディアカ、ソフトバレーボール、フライングデスク、フットバッグ、スカイクロス、バルーンバレーボール、フリーテニス、ピックルボール、ペロック、ディスカスボード、バスケットピンポン、ダーツ、輪投げ、などがあります。
自治体によっては、これらニュースポーツの用具を貸出ししたり、ニュースポーツ教室に講師を派遣してくれるところもあります。