高齢者のレクリエーション おもちゃドクター
高齢者は会社を退職したり、現役を退くと社会との接点が少なくなりがちです。
大切な家族や仲間を喪うことも増えます。それによって生きがいが減り、人生の喜びも減っていきます。生きる意欲を失ってしまうかもしれません。自己価値観が低下してしまうのです。
自分なんか。誰にも必要とされない。あてにされない。
そこで大人らしく、誰かに喜ばれて生きがいを得るボランティア活動を介護レクリエーションにしてみませんか。
高齢者だからこそできる。世の中の役に立ちたい。必要とされたい。あてにされたい。この気持ちが成就すれば、自己価値観や自信を取り戻すことは可能です。
ここでは、子どものおもちゃの修理を無償で行うボランティア団体「おもちゃ病院」で修理に携わる「おもちゃドクター」「おもちゃナース」になって、子どもと触れ合い、喜ばれてやりがいを得る方法をお教えします。
【おもちゃドクターとは】
おもちゃドクターは、おもちゃを修理できるお医者様です。
子供たちにものを大切にする心を教えられます。病院の受付やぬいぐるみの破れなどを補修するおもちゃナースもいます。
玩具や子供が大好きで、物作りや物の修理に興味があれば誰でもおもちゃドクターになれます。まずは自治体や消費者団体のイベントの受付の手伝いから始めてもいいでしょう。
おもちゃ病院連絡協議会が主催する「おもちゃドクター養成講座」は、おもちゃドクターを目指す方や修理技術の向上を目指すかたを対象に、ベテランドクターが修理方法、心構え、おもちゃ病院の開設や運営方法を指導してくれます。
おもちゃドクターになるには
・近隣のおもちゃ病院を見学する
・協会の主催するドクター養成講座(入門編と実習編)を受講する
・近隣のおもちゃ病院でインターン(実習)する
・新規のおもちゃ病院を開設する
という流れになっています。
【おもちゃ病院とは】
おもちゃドクターで活動するには、修理を受け付ける、修理をする場所が必要です。その場所が、おもちゃ病院。
すでに開設されている病院で修理をしたり、近くに病院がなければ自分自身で開設する手もあります。個人宅を使う、自治体や児童館の施設を利用させてもらう、イベントに参加してもいいでしょう。
病院なので定期・不定期にかかわらず続けることが大切です。いかに続けるか、事前にしっかりと下調べや根回しをする必要があります。
【日本おもちゃ病院協会とは】
日本おもちゃ病院協会は、こわれた「おもちゃ」を原則無料で修理し、新しい生命を与えることに価値を見出し、生きがいを感じているボランティアグループです。1996年に全国組織化しています。
2017年3月現在の協会会員のおもちゃドクターは1400名以上で、全国にある病院の紹介、ドクターの養成講座、地方での出前講座開催、ドクターの修理技術の向上と情報提供、病院の普及活動をしています。
【おもちゃドクターに必要な知識】
おもちゃドクターに必要な知識は修理方法だけではありません。どうしたら玩具を長持ちさせることができるかも知っておく必要があります。
玩具を長持ちさせる秘訣は、9つあります。
・汚れたままにしない
・濡れたらきれいに拭き取る
・外に放置しない。乗用カーなどは濡れないようにビニールカバーをかけておく
・長時間使わないものは電池を抜いておく
・投げない、放り出さない、乱暴に扱わない、火やストーブに近づけない
・電池を使うものはスイッチを必ず切っておく
・電池が液漏れしていたら素手で触らない
・むやみに分解しない
・壊れた、取れた、割れた部品は捨てずにとっておく
【おもちゃドクターに必要な道具】
修理に必要な道具もいくつかあります。基本は以下の9つです。
・ラジオペンチ(配線や針金を折り曲げる)
・ニッパー(配線や針金を切る)
・ドライバー(ネジを回す)
・ピンセット(細かい部品を挟む、拾う、配線を固定する)
・ハンダごて(配線を修理する)
・やすり(錆びをおとす、パーツを削る)
・万能ハサミ(紙だけでなく金属板も切れるもの)
・カッターナイフ(パーツを切る、削る)
・電池テスター(電圧・電流・抵抗を測る)
ほかにも布、金属、プラスチックに使える各種接着剤もあると便利です。
おもちゃドクター入門 おもちゃ修理のマニュアルから病院開設まで [ 松尾達也 ]