高齢者の認知症予防トレーニング 認トレ

高齢者の認知症予防トレーニング 認トレ

認トレ

 

脳トレだけでは、ボケは防げません。

 

(すばる舎 認トレ 一生ボケない!38の方法 広川慶裕・著)

 

2013年3月、厚生労働省委託の研究班が認知症の患者数の現状についての推計を発表しました。その推計によれば、2014年の時点で日本国内の認知症患者の数はおよそ462万人にも及ぶとのこと。

 

残念なことに、認知症が完全に発症して進行すると、治療で進行を遅らせたり改善することは可能です。しかし、完全に正常な状態に回復させることは難しいと考えられています。

 

けれど諦めることはありません。研究の結果では、軽度認知症(MCI)の状態までなら、適切な取り組みや治療によって正常な状態にまで回復することが十分に可能であることが明らかになっています。

 

そこで「認トレ」こと認知症予防トレーニングの出番。脳トレが知的活動に特化しているのにたいし、認トレは手や足を動かす運動を組み合わせることで脳に刺激を与えます。

 

 

 

【認トレとは】

 

漢字

 

認トレは、ひろかわクリニック院長であり認知症予防医の広川慶裕(ひろかわ・よしひろ)先生が考えたトレーニングです。

 

認トレは、大きくわけて4つのトレーニングで構成されています。

 

・知的トレーニング(計算ドリル・漢字ドリルなどで脳を活性化させる)
・身体トレーニング(適度に身体を動かす)
・生活トレーニング(トレーニングで毎日の生活のハリを維持する)
・食事トレーニング(肥満や高血圧、糖尿病を避ける食事をする)

 

 

 

【認トレに必要な道具】

 

そろばん

 

認トレに必要な道具はそれほど多くありません。

 

頭を使う知的トレーニングでは、時間間隔を維持するためにカレンダー。計算力を高める計算ドリル、認知機能が改善する漢字ドリルがあるといいでしょう。

 

認トレを開発した広川慶裕先生の認トレドリルも発売されています。数字や漢字、まちがい探しなどが収録されており、認知症予防に必要な「記憶力」、「言語能力」、「計算能力」、「遂行力」、「判断力」の5つのうち、2つ以上の能力を同時に鍛えられます。脳を活性化させる141問を収録。

 

運動トレーニングではウォーキングができる運動着とシューズ。生活のハリを維持するための生活トレーニングでは、日記帳やスケジュール帳、昔を懐かしむ映画のDVDやブルーレイもあるといいですね。

 

食事トレーニングで毎日摂りたいのは納豆とエゴマ油です。

 

>>もの忘れ・認知症を防ぐ! 認トレ ドリル [ 広川 慶裕 ]

 

 

 

【知的トレーニングに必要なグッズ】

 

カレンダー

 

見当識は、いまが何年何月なのか、何曜日なのか、いまは何時なのか、季節はどうか、自分がどこにいるか、自分が置かれた状況を判断する機能です。

 

認知症を発症すると、初期段階から中期段階にかけて見当識(けんとうしき)が低下します。そこで生活に支障がないうちから、意識的に見当識を強化するトレーニングをします。

 

見当識を強化するには、目に入りやすく、読みやすいカレンダーや針(アナログ式)の時計を部屋の目につく場所に設置します。そして毎日「何時何分か」「何月何日か」を声に出して読み上げます。旅行や自治会、ゴミだしなどの予定があれば書き込みます。

 

認知症や軽度認知障害を診断するときに使うペーパーテストのMMSEテストには、簡単な計算問題が含まれます。つまり、計算能力が高ければ認知症と診断もされにくくなるわけです。毎日、テストの制限時間をきめ、いかに早く解けるか挑戦しましょう。集中力もアップします。

 

計算は苦手、嫌いという方には漢字ドリルがおススメです。やりがいをもつために漢検の受験を目標にしてもいいですね。

 

>>認知症予防トレーニング 認トレ 一生ボケない!38の方法 [ 広川 慶裕 ]

 

 

 

【生活トレーニングに必要なグッズ】

 

映画鑑賞

 

日々の生活にメリハリをつけるのが生活トレーニングの目的です。

 

自分で計画を立てて旅行にいく、毎日なんらかの予定をたててそのとおりに行動します。このとき予定だけでなく、具体的に実行する時間を決めます。ゴミ捨ては朝の8時半までにする。買い物は夕方の4時までに行く。洗濯は午前11時までにする、といった具合です。スケジュール手帳に予定を書き込み、見返し、実行しましょう。

 

若いころに恋人とデートして見た映画や、好きな役者が出演したテレビドラマのDVDやブルーレイディスクを見ることは、当時のこともあわせて回想するので脳を働かせます。

 

このとき、つまらない映画や嫌いな分野の作品を無理してみないことが重要です。自分が楽しめる作品を選びましょう。

 

 

 

【食事トレーニングに必要なグッズ】

 

納豆ごはん

 

食事は体を作ります。たとえば脳の約60%は油でできています。つまり、良い油をとれば脳や体の健康を保てるのは道理でしょう。

 

現代の日本人が摂りすぎているものが3つあります。

 

・糖質
・炭水化物
・脂質

 

です。

 

米やパン、麺類に多く含まれている炭水化物は肥満、糖分の過剰摂取は糖尿病につながります。脂肪過多も肥満やアレルギーの原因になります。

 

そこで食事トレーニングでは、糖質・炭水化物・脂質を減らし、良質なタンパク質をやや多めに摂る「高タンパク型粗食生活」を勧めています。

 

>>糖質制限

 

米やパン、ケーキなどのお菓子を控えます。コーヒーはブラックで飲みます。甘いものが欲しいときは、カカオ成分が70%以上の高濃度カカオチョコレートを1日に25グラム〜50グラムほど食べましょう。またはコーヒーに高濃度カカオチョコレートを入れて飲めば、コーヒーとカカオ両方のポリフェノールが同時に摂取できます。

 

>>脂質制限

 

植物油(サラダ油)だからと摂りすぎていませんか。多くのサラダ油やマヨネーズなどの食品や菓子に含まれるリノール酸(オメガ6脂肪酸)を減らし、αリノレン酸(オメガ3脂肪酸)が豊富に含まれるエゴマ油を摂りましょう。理想はリノール酸が4、αリノレン酸が1の割合です。

 

>>高タンパク型の粗食

 

理想的な認知症予防の完全食は納豆です。

 

大豆からできている納豆は植物性の良質なタンパク質が豊富。有効な成分としてレシチン、ナットウキナーゼなども含まれています。毎日1食は納豆を1パック食べます。

 

納豆は、表面積が大きく消化もよく、1パックあたりの納豆菌が増える「ひき割り」がいいでしょう。

 

納豆を食べるときは、オメガ3脂肪酸を含むエゴマ油をタレのかわりに大さじ1杯かけます。エゴマ油は体内でEPA・DHAに変化するため、魚が苦手な人にもおススメです。

 

インド人とカレー

 

>>動物実験で認知症予防効果が確認されているカレー

 

インドは認知症の発症率が低い国のひとつ。その理由はカレーを食べているからと考えられています。

 

またシンガポールの研究でも、頻繁にカレーを食べる人とそうでない人を比較したところ、カレーをたくさん食べる人のほうが認知症の発症率が低かったという結果がでています。

 

カレーのスパイスに使われるウコン(ターメリック)には、抗認知症薬の成分にも使われるクルクミンが含まれています。動物実験では記憶力の改善や認知症予防効果も確認されています。

 

 

 

>>高齢者に役立つ最新情報(ニュース)2017年版