高齢者のレクリエーション 折り紙でリハビリする
折り紙(おりがみ)は、紙を折り曲げることで動物や植物、日用品、道具の形をつくる日本伝統の遊びです。
子どもの頃、誰もが一度は遊んだことがある折り紙。高齢者がそれぞれの過去の生活を思い出しながら楽しめます。年齢や性別を問わず、自らの残った体の機能を使い作品をつくりあげます。
折り紙は手先や指先を活発に動かしたり、仲間と言葉で通じ合うことで脳を刺激します。集中して作る、折り紙を使ったゲームを楽しむことで心と体と頭のリハビリにもつながるでしょう。
【おりがみの折り方は本で覚える】
おりがみの本には「折り図」とよばれる記号や約束が書かれています。また多くのおりがみには基本形があります。
たとえば折り方の記号には
・谷折り
・山折り
・折り筋
・補助線
・切り取り線
・見えない線
・表へ折る
・裏返す
・折ってもどす
・裏へ折ってもどす
・左右に裏返す
・上下に裏返す
・回転させて向きを変える
・間に差し込む
・引き出す
・開く
ほかにも拡大する、縮小する、空気を入れる、があります。
基本形は
・正方基本形
・ふうせん基本形
・魚の基本形
・つるの基本形
などがあります。
折り図に慣れれば簡単に折れるようになります。同じ形のものをたくさん作って、それを組み立てて豪華な作品に仕上げるユニット折り紙も作れるようにもなります。
作る数が増えたり、複雑な作品で折る手順が多くなれば折り図が絶対に必要になります。一人で挑戦するためにも折り紙の本を一冊はもっておきます。
まずは簡単なものから始めてみましょう。
【おりがみに必要な道具】
紙を折る遊びが折り紙です。そのためあまり多くの道具を必要とはしません。それでも複雑な作品の場合、あると便利な道具があるのも本当です。愛好者はおのおの自分の気に入った道具をもっています。
基本的な道具は、以下の7点です。
・はさみ
・カッターナイフ
・筆記用具
・のり
・ボンド
・セロハンテープ
・両面テープ
ほかにもクリップ、輪ゴム、動物の目玉に使う丸シール、つまようじ、竹串があると便利です。
【おりがみに使う紙について】
おりがみに使う紙には和紙と洋紙があります。片面だけ単色のもの、表と裏に色や模様のある両面折り紙もあります。洋紙は単色が多く、和紙は独特の風合いがあり、美しい色、柄が特長です。
専用紙にかぎらず、タバコの空箱や広告チラシ、箸袋を使うこともあります。
【介護施設のレクリエーションで注意する点】
おりがみの魅力は、おりがみを作ることをきっかけに高齢者同士のコミュニケーションが広がることです。手指を使うことで脳の働きも良くなります。
おりがみを各種高齢者施設のスタッフがレクリエーション活動として使う前は、かならず自分で一度つくってください。事前に作ることで余裕をもって楽しめます。
高齢者は美しいもの、色鮮やかなものを好む傾向にあります。また子どもっぽい作品より、豪華で大人っぽい作品が好かれやすく。
【ゲームとしても楽しめる折り紙】
折り紙を折って楽しむ。作品として飾って仕上げる。それ以外にも折った物を使ってゲームが楽しめます。
・カエル幅跳びゲーム
・釣りゲーム
・大相撲
ゲームには上記のようなものがあります。
たとえば大相撲(紙相撲)なら、力士を指と手をつかって折る。トントンと叩く音を聞く。力士の動きを目で追う、など聴覚・視覚・触角といった感覚を刺激するため、認知症の予防にもつながります。
仲間と楽しくコミュニケーションして盛り上がること間違いありません。