高齢者の介護レクリエーション 洗車

高齢者の介護レクリエーション 洗車

洗車

 

2011年、介護保険サービス利用中のボランティア活動に対して、報酬が支払われることが認められました。いわゆる有償ボランティアです。

 

仕事をして報酬を得たい。
働いて、社会ともう一度つながりたい。
誰かの役にたって喜ばれたい。
1日のほんの数時間だけ働きたい。

 

そんなシニアが喜んで働きに来る仕事、それが洗車です。ここでは介護レクリエーションのひとつ、洗車についてお教えします。

 

 

 

【働き手がいないサービス業の現状】

 

24時間営業

 

24時間営業のコンビニエンスストアが夜の10時に閉店した。
都会のファミリーレストランでは働き手がいなくて24時間営業を辞めた。
宅配便の配達をするドライバーが確保できずに荷物がいつまでも届かない。

 

いま「働き手がいない」と多くの会社が嘆いています。とくにサービス業は人材不足に悩んでいます。

 

子育てをしている主婦、介護で地方の実家に戻っている人、定年退職したシニア層は、1日のうち「ほんの数時間だけ働きたい」「働ければいい」と多くの人が考えています。

 

とくに定年後の男性の多くはかぎられた人との交流しかなくなり、家に閉じこもりがち。そうなると体も動かさず、気持ちもふさぎます。心の中ではもっと体を動かしたい。誰かと話したい。役に立ちたい。働きたいと思っています。けれど長時間働くのは体が大変。遠くに行くのも面倒だ。

 

ここで企業と働きたいシニア層のすれ違いが生まれています。

 

 

 

【シニアに人気の洗車ビジネス】

 

洗車

 

自動車の販売店や個人にとって自動車の洗車は面倒なもの。時間も人もとられます。そこでシニアの出番です。

 

たとえば東京都町田市のデイサービスでは、利用者にカーディーラー(自動車販売店)の洗車、昼ごはんの買い物、午後のデザート作り、保険代理店のパンフレットにゴム印を押す、チラシのポスティングなどの仕事を継続的に受けています。

 

また一般社団法人日本洗車技術指導協会の無水洗車ビジネスは、水を使わずに特殊な洗剤で車を拭いて車をキレイにするビジネスがあります。お客様の自宅やゴルフ場、自動車ディーラーなどを訪問して車を磨きます。

 

労働時間は月に8日以内、1日5時間以内に限定し、洗車作業をする場所はシニアの自宅から徒歩圏内に限られています。そのため体を定期的に動かせるうえ、作業も短時間で終わるので体の負担も少なくすみます。

 

お客様の喜ぶ顔を直接みれるうえ報酬もいただけます。

 

 

 

【洗車に適した場所】

 

風

 

お客様の自宅やゴルフなど指定されたところに訪問する。または自動車販売店の駐車場で作業します。

 

洗車に適した場所は、地面がコンクリートで排水設備が整った洗車場が一番。少なくとも舗装されていることが最低条件です。

 

最悪なのが砂や砂利の舞う場所。作業中に砂利が跳ねて車体を傷つけたり、水がはねて車体に汚れがつきかねません。また砂のついた靴で入れば、土や砂汚れでフロアマットを汚します。

 

 

 

【洗車に適した天候】

 

太陽

 

雨降りで車を洗う人は少ないです。かといって晴天でも夏の炎天下での洗車もいけません。シャンプーやワックスがどんどん乾いて、シミやムラになるからです。

 

風が強い日も避けたいところ。ゴミや砂、ホコリが飛ぶため車体に付着。その状態で車体をこすれば傷になります。

 

天気が良い日の日影、少し曇っている日、雲がでていて雨が降らない日、太陽の位置が低い午前中か夕方、屋根のある駐車場、または屋内で風が吹かないところが最良です。

 

 

 

【洗車に適した服装】

 

作業着

 

洗車に適した服装はプロなら作業着(ツナギ)に長靴もしくはスニーカーが基本です。

 

一般の洗車服ならば、汚れてもいい無地のスウェットやジャージ上下に耐水エプロン、長靴またはスニーカーが適しています。革靴はシャンプーなどの溶剤が付着するとシミになるので履かないようにします。

 

作業しやすく動きやすい、濡れたり汚れてもいい恰好はいいけれど、鋲打ちされているジーンズ(デニム)は避けます。

 

金属の車体に触れること、水を使うこと、汚れる、傷をつけることを防ぐために、金属製のファスナーやボタンが無いものか折り返しで隠れる服装がベストです。大きなバックルが付いたベルトもせず、ポケットは面ファスナーのものを使います。

 

あわせて時計やネックレス、ブレスレット、ウォレットチェーンなどのアクセサリーも外しましょう。携帯電話やスマートフォンを胸ポケットに入れておくと、屈んだときにバケツに水没させたり、車体に落としてぶつけて傷をつけることもあるので注意が必要です。携帯・スマホはズボンのポケットまたは車内に入れておきましょう。

 

 

 

【洗車に必要な道具】

 

バケツ

 

洗車に必要な道具はそれほど多くありません。バケツ、スポンジ、シャンプー、固形ワックス、拭き取りクロスといったところです。

 

シャンプーは専用品でもいいし、家庭用の中性洗剤でも代用できます。大切なのは濃度で、薄くても濃くてもいけません。専用シャンプーであれば裏書の説明書を。中性洗剤なら50倍程度に水で薄め、よく泡立てて使います。

 

シャンプーの泡で汚れを取ります。ボディで泡立てるのではなく、バケツに原液を入れて上から水を勢いよく注いで泡だてましょう。

 

 

 

【洗車の基本】

 

洗車

 

まず水を全体にかけてボディ(車体)を冷やします。ボディが熱いままだとシャンプーやワックスがすぐに乾いてシミになります。このとき、水は上から下にかけます。汚れを上から下に流しましょう。下から水をかけると砂や汚れがボディに跳ねます。

 

つぎにバケツに泡立てておいたシャンプー液をたっぷりと含ませたスポンジを上から下に一方通行で動かして、ボディに付いた汚れを落とします。スポンジを一方通行に動かすのは、傷がボディに付くのを防ぐため。また円を描くように動かすと、ボディに円の傷がつきます。夜に蛍光灯の下で見ると傷が目立つため、絶対にスポンジや拭き取りクロスを円に動かしてはいけません。

 

あとは水でシャンプーを洗い流します。

 

固形ワックスを塗るときも、ワックスをつけたスポンジは横から横、または縦から縦の一直線・一方通行で動かします。ワックスは乾き始めたら拭き取ります。このときも拭き取りクロスは横から横、または縦から縦で動かすことを忘れずに。

 

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