高齢者のレクリエーション ボッチャ

高齢者のレクリエーション ボッチャ

ボッチャ

 

パラリンピックの正式種目でもあるボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者または同じくらいの四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツです。

 

ルールはカーリングに似ていて、頭脳プレイと投球テクニックが要求される競技です。コートの大きさは、バトミントンのコートと同じくらい。

 

まず赤チームと青チームに分かれます。目標球(ジャックボール)と呼ばれる白いボールに、赤と青のボールを転がす・投げる・ぶつけるなどして、いかに近づけるかを競うスポーツです。

 

ボッチャのボール

 

障害があってボールを投げることができなくても、ヘッドポインタという頭に付ける補助具やランプ(勾配具)と呼ばれる滑り台のような道具を使ってボールを転がして参加することも可能です。手で投げることが困難な選手は足で蹴ることも認められています。

 

ボッチャのランプ

 

選手を補助する競技アシスタントもいます。選手はアシスタントに「もっと右」「もう少し下」と指示をだし、ランプの角度や方向を調整し、ボールを転がします。アシスタントはあくまでも補助なので、自分で勝手に動いたり、選手に話しかけたりもできません。選手のほうだけを見て、振り返ってコートを見ることも禁止されています。

 

 

 

【レクリエーションとしてのボッチャ】

 

パラリンピック

 

パラリンピックのような正式競技であれば、ルールは厳格に守られなければいけません。

 

しかし介護施設のレクリエーション・ボッチャなら、点数計算や投球方法など独自ルールに変更してもかまわないでしょう。頭脳スポーツとしてのおもしろさは残しつつ、勝ち負けのわかりやすい単純なルールにします。

 

レクリエーション・ボッチャ

 

正式ルールでは、全員が車イスに乗った状態で競技が行われます。

 

老人ホームの場合、車イスの人もいれば立ってボールを投げる人もいます。誰もが一緒に楽しめるよう、立って投げる人は車イスの人より後ろから投げるなど、ハンデをつけます。たとえば立って投げる場合は白いボールから4メートル、座って投げるひとは白いボールから3メートルのラインを分けます。

 

正式競技でなければ、6つに分けたスローイングボックスも不要です。道具はインターネット通販でも手に入りますが、障害者レクリエーション協会でレンタルもしている場合があります。

 

 

 

【レクリエーションとしてのボッチャ導入法】

 

コイントス

 

軽い運動をすることは血行をよくし、精神的にもリラックスできます。みんなで運動をすることは仲間意識、共感、協調性も生み出します。また競争意識がめばえれば「負けて悔しい」「次は頑張るぞ」という意欲も芽生えます。

 

シニアのレクリエーションといえば、かつてはゲートボールが主流でした。けれど時代の流れは変化します。

 

単なるボール転がしをしたいのか、パラリンピックの正式種目をしたいのか、シニアにとってやってみたいのはどちらでしょうか。きっとパラリンピックの正式種目と多くのひとが答えると思います。

 

まずは「パラリンピック」というキーワードで参加者の興味をひきましょう。

 

盛り上げるためにはとにかく声かけが重要です。成功したら「すごい!」「やりましたね!」。たとえ失敗しても「惜しい!」「大丈夫ですよ、次は頑張りましょう!」と盛り上げる言葉をかけます。

 

そうすれば参加者からも「悔しい!!」「やった!」「わーい!」「残念」「今日は調子がでなかった」「次こそ勝つ!」といった声が出るはずです。

 

普段の生活からは「負けて悔しい」という感情はなかなか生まれません。ボッチャを楽しむことで体だけでなく、心にもプラスの変化が生まれるでしょう。

 

 

 

【ボッチャの正式ルール】

 

水泳

 

各チームが6球ずつ投げて得点を競います。これを1エンドとします。

 

一対一の個人戦と二対二のペア戦、三対三の団体戦があります。個人戦とペア戦は4エンド、団体戦は6エンドの合計得点で勝敗を決めます。ペア戦、団体戦は男女混合で行われるのが特徴です。

 

審判のコイントスまたはじゃんけんで先攻を決めます。先攻側がジャックボールを投げ、1投目もジャックボールを投げた選手が投げます。次は相手側が投げる。次からはジャックボールから遠いチームが投げます。すべてのボールを投げ終わったら1エンド終了。ジャックボールに最も近いボールのチームまたは選手に得点が入ります。

 

トップクラスの試合では、ミリ単位の勝負になることがあり、審判が専用の器具で測ります。

 

>>ボッチャ専用ボール

 

周長270mm、重さ275グラム。テニスボールより少し大きめ。表面にある縫い目で、独特な転がり方をします。ボールの表面は柔らかく、あまり転がらず弾まない素材が使用されています。

 

>>スローイングボックス

 

選手が投げる場所。選手、アシスタント、ランプのすべてがこのボックスに収まるようにする。

 

>>ジャックボール無効エリア

 

最初に投げるジャックボールがこのエリア内に止ると反則になる。相手側にジャックボールを投げる権利が移る。

 

反則があると相手側に2球追加されます。投げられたボールに反則があった場合、そのボールはコートから取り除かれます。取り除かれたボールをリトラクション(ボール除去)と呼びます。

 

>>ターゲットボックス

 

競技中にジャックボールがコートの外に出ると、この位置に戻される。

 

>>エンドライン・サイドライン

 

投げたボールがこの線を超えると無効になる。

 

 

 

【ボッチャの歴史】

 

球投げ

 

ボッチャの起源は、古代ギリシャでおこなわれていた球投げといわれています。6世紀にイタリアで現在のかたちに近いものが考案され、20世紀に重い障害のある人でも楽しめるスポーツとしてルールの改良がされ、世界中に広がりました。

 

語源はイタリア語の「boccia」で、木の球という意味があります。

 

ボッチャは1984年の第7回ニューヨーク・アイレスベリー大会で初めて公開されました。パラリンピックの正式競技となったのは、1988年の第8回・韓国ソウル大会から。BC1、BC2クラスが正式種目となりました。

 

その後、1996年・第10回アトランタ大会でBC3クラス、第12回アテネ大会でBC4クラスも正式種目に加えられています。

 

日本チームは2016年のリオ大会にて、団体戦の銀メダルを獲得しています。

 

 

 

【ボッチャのクラス分け】

 

ボウリング

 

ボッチャには障害の種類や程度でBC1〜4のクラス分けがあります。またクラスごとに出場できる種目がきまっています。

 

個人戦のみ、すべてのクラスの選手が出場できます。

 

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>>高齢者のレクリエーション ローンボウルズ